第3回:IoTの3つの技術要素

(公財)横浜企業経営支援財団 IoT窓口相談員
後藤 昌治

2018/11/5

 IoTの実現には、3つの技術要素「つなげる」「あつめる」「活用する」があります。今回は、つなげる技術とあつめる技術について紹介します。

つなげる

 つなげる技術には、センサー、自動認識、制御機器および通信があります。

センサー

 現場の様々な事象や状態を、コンピュータが扱えるデータに変換するデバイスです。物体の有無、位置、変位、寸法、圧力、応力、歪み、トルク、重量、角度、速度、回転数、加速度、振動、温度、湿度、磁気、光、電流、電圧など、様々なセンサーが存在します。

自動認識

 人間を介さず、機器により自動的に媒体のデータを取込み、認識するシステムです。RFID(ICタグ、ICカード)、バーコード、2次元コード、カメレオンコードなどがあります。

制御機器

 センサーや自動認識の制御およびネットワーク接続する機器です。PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、シングルボードコンピュータ、マイコンボードなどの小型のコンピュータ機器が利用されています。スマートフォンが使われている例もあります。

通信

 通信には、有線と無線があります。有線は、大容量のデータを安定して送受信できますが、配線スペースの確保が必要です。無線は、電波環境によっては通信が不安定になることがありますが、機器の設置や移動が容易というメリットがあります。近距離用のWi-Fi、Bluetooth、Zigbee、長距離用の3G、LTEなどが代表的な通信です。近年は、SIGFOX、LoRaWANといった長距離・低消費電力のLPWA(Low Power Wide Area)が注目されています。

あつめる

 データをあつめるには、組織内に設置されたIoTサーバーの利用やインターネット経由でクラウドのIoTプラットフォームを利用する方法があります。

IoTサーバー

 現場のセンサーや各種機器などから送られてきたデータの蓄積、表示、管理などの機能を持つコンピューターです。オープンソースソフトウェアを利用して構築することができます。

クラウドサービス

 クラウドのIoTプラットフォームには、IoTに関する機能やサービスが用意されていて、すぐに使うことができます。組織内にサーバーを持たなくても、信頼性の高いサービスをすばやく利用できることから、普及が進んでいます。

まとめ

 つなげる技術には多くの種類があり、何をどのように使えばよいか、悩ましいところです。また、あつめる技術にも様々なソフトウエアやクラウドサービスがあり、同じく選択に迷います。
 しかし、目的や利用条件が明確になっていれば、それらに基づいて候補を絞り込んでいくことができます。その際、必要に応じて専門家と相談したり、メーカーやITベンダーに問い合わせたりすれば、より的確な判断ができるでしょう。
 次回は、データの分析に関する技術と活用について紹介します。

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