中小IT企業の新事業としての独自サービス展開

第2回:昨今注目のIT技術を活用したサービス企画

(公財)横浜企業経営支援財団 IoT窓口相談員
矢野 英治

2018/8/7

 昨今、AI(人工知能)、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)、IoT、ブロックチェーンといった新しいIT技術が急速に広がっている。

 こういった技術は、これまでの基幹システムやその周辺システムなどで利用されてきた技術とは異なり、いくつかの特徴を示している。

 例えば、AI(人工知能)においては、これまでのプログラムで制御する技術ではなく、大量のデータをもとに、システム自身に動作を制御させる技術が利用されている。

 VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)においては、これまでの構造型のデータを取り扱うシステム開発とは異なり、非構造データである画像、動画、CADデータなどの非構造データを有効に活用することで、体験型の機能を提供することを可能としている。

 IoTやブロックチェーン技術においては、スマートフォンやセンサー機器などの複数の自律した端末装置やバックエンドに位置するシステムが有機的に結合されることで、これまで実現が難しかった新たな価値を提供している。

 また、これらのIT技術を活用する場合、それぞれの技術を単体で利用するだけではなく、複数の技術を組み合わせて利用することにより、さらにその提供価値を高めることが可能である。

 以前であれば、こういった新しい技術の導入は、研究開発に投資が出来る一部の企業によって先行して行われていた。しかし昨今においては、海外のITベンダを中心にこれらの基盤技術が非常に安い金額や無料で提供されており、中小IT企業においても研究開発やPoC(Proof on Concept)が容易に実施出来るようになってきた。

 このことは、これまで下請けを中心に事業を行ってきた中小IT企業が、独自サービスを企画・開発するハードルを引き下げると同時に、大量のデータやビジネスアイデアを持つ他業種からの参入やインターネットを活用したマーケティング事業を中心とした企業が同領域に参入するハードルも引き下げている。

 中小IT企業が独自サービスを企画するにあたっては、大規模システムに携わった経験による品質管理の能力や先端技術を利用したシステムの請負の経験による先行技術力が、大きな差別化要素になることを意識した上で、提供するサービスで採用するIT技術を注意深く選択する必要がある。

 次回は、「新事業としての独自製品・サービスのビジネスモデル」というテーマでお伝えします。

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