事例 1
濃度センサ活用で加工精度の高度化を実現
<株式会社大野製作所>
大野製作所(横浜市都筑区)は、複雑な形状の産業用バルブ、自動車関連試作部品などを製造。従業員10名という小回りの良さを生かし、短納期・高品質・低価格を実現している。その一つの手法が、デジタルによる「見える化」の推進だ。
金属の切削加工には、摩擦の抑制と冷却のために「切削油」を使用するが、加工精度の向上、装置の摩耗・破損抑制のため、油の温度・濃度の管理が不可欠。これまでは手動で測定していたが、省力化と、油による従業員の手荒れ防止が同社の課題となっていた。
IDEC横浜のアドバイザーに相談したところ、「デジタル化で解決できる」との助言を受けた。横浜市のIT・IoTの導入に向けた補助金を活用し、システム、濃度センサーを導入、既存の工作機械と組み合わせた。結果、油の状態を常時自動監視し、人の手を介さずにモニター上でデータを確認できるようになった。
今後の展開について大野社長は、現在手書きで対応している在庫管理のデジタル化を進めるなど、さらなる生産性向上、業務効率化に取り組んでいく意向だ。
企業情報 | |
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企業・団体名 | 株式会社大野製作所 |
代表 | 代表取締役 大野 良 氏 |
住所 | 横浜市都筑区勝田町726-1 |
URL | http://ohnoss.com/ |
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IT・IoTでさらなる生産性向上目指す大野社長 -
濃度センサーシステムの導入で省力化等を実現
事例 2
金型のクラウド管理で作業効率アップ
<株式会社オウミ>
オウミ(横浜市都筑区)は、主に自動車やトラックの部品の製造を手がける。試作品や補用パーツも生産。プレスからレーザー加工、組立工程まで一貫して行っている。
部品の製造に必要不可欠なのが「金型」だ。取引先からの急な発注に備え、多くの金型は保管している。3千種類近くの型があり、管理は紙ベースで行っているが、発注を受けて適切な型を探し出すために時間がかかる。これを解消することが同社の課題となっていた。
中島社長はIT・IoT導入による生産性向上に強い意欲を持ち、現場にその重要性を説いていた。そこで金型ごとにQRコードを割り振り、保管場所などの情報をクラウド上で管理するためのシステムを導入した。導入にあたっては、横浜市のIT・IoTの導入に向けた補助金を活用したり、IDEC横浜のアドバイザーの助言を受けた。
今後は他の業務でもペーパレス、デジタル化を進めたい、と中島社長。また現在では三次元的なデータのある依頼が半数を超えるが、「図面から起こす技術も変わらず重要」と若手を育成し、試作品の増産につなげたいと目標を掲げる。
企業情報 | |
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企業・団体名 | 株式会社オウミ |
代表 | 代表取締役社長 中島 和紀 氏 |
住所 | 横浜市都筑区東山田4-43-17 |
URL | http://www.kk-oumi.co.jp/ |
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膨大な金型の前で管理端末を手にする中島社長 -
得意技術を活かした自社開発のステンレス製品
事例 3
在庫管理と入出庫におけるIT活用
<株式会社センスビー>
センスビー(横浜市緑区)は、電熱業界のパイオニアとして電気加熱技術、温度制御技術、はんだ付け実装技術を世界および日本国内に提供している企業である。
同社の課題として、部品在庫の適正化と入出庫時のカウント洩れの解消があった。両作業ともに紙ベースで管理し、その後エクセルに打ち込むなどして管理しているが、転記ミスや記載漏れが発生することがあり、最終的には月末の棚卸で把握するなど手間がかかっていた。
そこでIDEC横浜のアドバイザーが、入庫・出庫・棚卸をIT化し、リアルタイムで部門間での情報共有をはかることを提案。Microsoft Accessをベースとした在庫管理ソフトを購入し、それを社内開発し活用することとした。
今後は、当該ソフトをカスタマイズできる社員の育成と併せ、部品コードの整理による適切な在庫管理の実現と、入出庫に関してはタブレットとアプリの活用によりシステムと連動させ、特に出庫作業は誰でも簡単にもれなくできることを目指す。今後もIDECが継続して支援を行い、本格稼働を目指す。
企業情報 | |
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企業・団体名 | 株式会社センスビー |
代表 | 代表取締役社長 山本 茂明 氏 |
住所 | 横浜市緑区青砥町494-5 |
URL | https://www.sensbey.org/ |
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デジタル化による徹底した在庫管理を目指す山本社長 -
導入した新しいシステムで、
本格稼働に向けたデータの整理を行う従業員