「新しい生活様式」で加速されるか?!「xR」

第3回:AR、VR

(公財)横浜企業経営支援財団 ものづくり・医工連携コーディネーター
山本 亮一

2020/9/24

1.はじめに

今回は、xR(VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)の総称)のお話です。このコロナ禍で、もっと先のことだろうと思われていたディジタル化が、一気に、前倒しで進んでいます。xRも、いよいよ本格的な利用時期を迎えるかもしれません。

2.フェイスシールドがARデバイスに?![1]

xRは、2016年VR元年[2]と言われているように、ゲームの世界などではかなり広まってきています。産業向けでも、保守・メンテナンスなどの作業支援、Googleマップストリートビュー[3]のようなウォーク・スルーの飲食店や宿泊施設などのPRや展示会なども多く見かける様になりました。
前回のコラムでご紹介しましたが、ハードウエアの技術開発も進んでいます。今年の春先には、Apple Glassの開発やFacebookとRay-Banのコラボがネットで流れたりしています。そんなハイテクでなくても、スマホに着けて使う安価なVRゴーグル、それこそダンボールで作られたものなど、色々なものが出回っています。中小企業でも、小回りを利かせた商品開発のチャンスが広がって来ていると思っています。日経XTECHの記事の「フェイスシールドがARデバイスに」[1]というのも、あながち笑い話ではないかもしれません。

3.大学の先端研究

さて、大学の先端的な研究例は、バーチャルリアリティ学会[4]の発表事例を見てみると良いでしょう。産学連携の可能性という切り口からみると、新しいサービスを開発したいという方には、「訓練・シミュレーション」とか「医療・看護・スポーツ」というキーワード、新しいディジタルガジェットの開発を考えている方であれば、「ディスプレイ(デバイス)」とか「ユーザーインターフェイス」などのキーワードで見てみるのが良いでしょう。

例えば、昨年の「訓練・シミュレーション」のセッション[5]では、VRを用いた群衆の避難行動の研究とか、今年の「ユーザーインターフェイス」のセッション[6]では、スマホ用の簡易HMDを使った運動識別の研究とかが、近隣の横浜国立大学や慶應義塾大学などから発表されています。これらは、中小企業の皆さまの産学連携の取っ掛かりになるものではないでしょうか。

4.おわりに

好き嫌いに関わらず、「新しい生活様式」では、非対面のバーチャルなコミュニケーションの重要性が増してきます。パソコンの平たいディスプレイに映し出される映像だけでは、もちろん力不足です。これを解決する技術の一つが、いうもでもなく、xRです。xRの発展には、目が離せません。

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