第11回:業務自動化への挑戦

(公財)横浜企業経営支援財団 IoT窓口相談員
後藤 昌治

2019/2/27

 A社では、紙帳票のデジタル化のプロジェクトが一段落し、データ活用の成果が現れ始めています。今回のプロジェクトを通して、データ活用の威力を知ったメンバーは、日々蓄積されているデータを活用して、さらなる改善の検討を始めることにしました。検討の対象は、外観検査と日程計画の2つの分野です。

 外観検査については、作業の標準化を進めたことで、一部作業の自動化の可能性が見えてきました。日程計画については、各工程の実績データを利用できることで、従来の専任者による計画作成が、他のメンバーでも対応できるようになっています。さらに、計画作成のルールを定義することで、自動化への道が開けないかと考えました。

自動化への挑戦

 外観検査では、主に製品表面のキズや汚れの有無を目視で確認しています。ここまでの改善では、確認箇所、手順および判定基準の標準化により、作業時間を短縮してきました。さらに、新しい帳票システムで作業記録を蓄積してきたことで、検査のノウハウも溜まり、担当者による品質のバラツキもかなり少なくなっています。

 今回は、目視による検査をAIの活用により自動化することを目標とし、その可能性について専門家とともに検討を実施しました。手始めに、蓄積されたデータを活用してAI適応の調査と実験を行いました。その結果が良好だったことで、実現に向けて新たなプロジェクトの発足を決めました。

 日程計画の作成では、受注日、納期、工程別作業時間、設備や担当者の勤務などの情報から、自動的にスケジュールできないか検討しました。各種データと制約条件から、ある程度の日程計画は自動的に作成できる手応えは得られましたが、設備や担当者の日々変化する事情を考慮した個別調整も必要であり、一筋縄でいかないこともわかってきました。改めて、人間の柔軟な対応力に感心しました。

着実な前進を目指す

 外観チェック自動化の可能性はわかりましたが、実際に日々の作業に適用するには、さらに解決すべき課題が多いのも事実です。日程計画についても、想定していたよりも個別対応が多く、こちらも課題山積みの状態です。すべてを解決して自動化を実現することは、その労力や費用的な面を考えると現実的には難しいと言わざるを得ませんでした。

 しかし、完全な自動化は難しいとしても、今できることを実行することで確実に成果は上がります。また、その挑戦が次のアイデアを生み出すエネルギーにもなります。改善に終わりはありません。継続的な活動により一歩一歩前進していくことが未来を創ると信じて、メンバーは今も日々邁進しています。

 今回でA社の取り組み紹介は終了です。ご覧頂いた皆様、ありがとうございました。

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