中小IT企業の新事業としての独自サービス展開

第4回:新事業展開に活用できる行政や支援団体の支援サービス、補助金、制度の紹介

(公財)横浜企業経営支援財団 IoT窓口相談員
矢野 英治

2018/11/29

 ITの利活用の促進に向けて、国をあげてのさまざまな行政や各種団体の支援サービスや補助金、助成金などの制度が存在しています。

 また、ITの利用にかかわらず、新製品の事業化や販路拡大などの支援、製品企画や開発のための設備導入、試作品開発に利用可能な補助金などもあります。加えて、技術者の採用や教育を支援する助成金などもあります。

 今回は、これらの支援サービス、補助金、助成金などの制度の一部について簡単に紹介したいと思います。

 まずは支援のスキームですが、経営全般や新製品の事業化、販路拡大などの経営に関して広く相談が出来る公的な機関が、各県にひとつずつと政令指定都市にあります。横浜市に所在する企業向けには、IDECの愛称で知られる横浜企業経営支援財団や、KIPの愛称で知られる神奈川産業振興センターなどがそれにあたります。

 他にも、横浜商工会議所や神奈川県中小企業団体中央会といった支援機関でも、同様に相談をすることが可能です。

 新たな独自のITサービスの開発を行う場合には、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(通称ものづくり補助金)」の活用が可能な場合があります。試作品を開発する費用の一部を補助金として受け取ることが出来ます。また、実現性が高く事業化の確度が高い場合には、中小企業技術革新制度(SBIR)の補助金を受けられる可能性もあります。

 試作品の開発などではなく、完成した製品の販売促進には、「小規模事業者持続化補助金」といった補助金が受けられる可能性があります。補助金の額は多くはありませんが、多くの企業が採択されており、比較的間口の広い補助金になっています。

 補助金は申請をした企業の中から補助金を受けることが出来る企業が厳選され、採択される仕組みになっていますが、他に一定の要件を満たすことで採択などの手続きを踏まずに受けられるのが、助成金と呼ばれるものです。

 採用や教育に関する支援には補助金よりも助成金の制度の方が多くなっているように見受けられます。特定の事業に強い結びつきがなくても、幅広く採用や教育に割り当てられる助成金を受け取れる可能性があるので、自社が対象となるかを確認してみるのが良いと思います。

 補助金にしても、助成金にしても、年度ごとの予算で実施される支援事業のため、毎年同じ内容で継続しているわけではないのですが、数年間にわたる方針に沿った制度の場合には、複数年同じ補助金や助成金の制度が続く場合もありますし、若干形や補助額を変えながら同じような支援制度が続く場合もあります。

 どのような補助金や助成金、その他の支援サービスがあるかの相談などは、先に述べたIDECなどの支援機関で相談に乗ってもらうことが可能です。その際には、補助金や助成金を受けることだけを目的にするのではなく、事業をどのように成功に導くのかの相談から始めることで、より良いアドバイスを受けることが出来ると思います。

 以上は、自社が受けることが可能な支援サービスや補助金、助成金の紹介でしたが、顧客が支援サービスを受けるお手伝いをすることで自社の製品やサービスの販売拡大につなげることが出来る場合もあります。

 その一つが一昨年から始まった「IT導入補助金」です。自社の製品をITツールとして登録し、その登録された製品を顧客企業が導入する際に導入費用の一部が補助金として受け取れる制度です。国内の中小企業のIT導入を促進し、労働生産性の向上を目指す国の施策の一つになります。

 ITツールとして登録された製品の導入は、実質的な値下げと同じ効果を持つため、ITサービスや製品の提供企業にとっては、より提案がしやすくなります。

 このような自社の顧客にとって有利な支援サービスや補助金、助成金の活用も、これまで独自サービスや製品のビジネスを手掛けて来なかったIT企業にとっては、知っておいて損のない情報ですし、支援機関からのアドバイスも積極的にもらうのが良いのではないかと思います。

 次回は、これまでの内容とは少し毛色を変えて、昨今の開発ツールを交えた新しい開発プロセスについて、「新事業としての独自製品・サービスを成功させるための開発プロセス」というテーマでお伝えします。

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